防水シート工法は、接着工法と機械的固定工法がありますが、屋根のどの部位においても、下記風圧力の基準を満足できるように、接着力、固定力を決定する必要があります。
屋根ふき材に加わる風圧力の計算をホームページ内の《風圧力計算プログラム》を用いて次に示します。
《例》 |
建物高さ20m、地表面粗度区分III、東京都23区(基準平均風速34m)の場合の風圧力を下表に示します。 |

図 陸屋根面の部位 |
部位 |
風圧力(N/m2) |
の部位 |
|
|
-1,442 |
の部位 |
|
|
-1,846 |
の部位 |
|
|
-2,481 |
|
|
改質アスファルトシート機械固定工法について、耐風圧と固定力の比較を行ないます。
立上り部、立上り際付近の平場は接着工法、立上り際付近は機械固定となります。
(1)改質アスファルトシート機械固定工法の引き抜き試験
 |
― 試験条件 ―
|
試験温度 |
: 20℃ |
引張速度 |
: 100mm/min |
防水シート |
: アプトダカンシートCT |
アンカー |
: SUS T6‐40 |
ディスク板 |
: φ60mm |
|
|
|
(2)アプトダカンシートCT機械固定の引き抜き試験結果
No. |
1 |
2 |
3 |
平均 |
引き抜き強度
(N/箇所) |
3,087 |
3,185 |
3,185 |
3,152 |
破壊状況 |
防水シートの破断 |
|
|
(3)アンカーの引き抜き試験結果
名 称 |
寸法(外径×首下全長)
(mm) |
ドリル径
(mm) |
アンカー埋め込み深さ
(mm) |
強度
(N/箇所) |
SUS T6‐40 |
6.0×40 |
6.4 |
25 |
4,700 |
SUS T6‐80
(断熱用) |
6.0×80 |
|
・下地コンクリートは設計基準強度=1,764N/cm2 |
固定金具の下地への固定強度(防水層の固定強度)を3,000N/箇所とした場合、単位面積当たりの固定金具の必要量を上記で求めた風圧力から計算すると次のようになります。
部位 |
単位面積当たりの固定金具必要量(本/m2) |
の部位 |
|
|
1,442÷3,000=0.48 |
の部位 |
|
|
1,846÷3,000=0.62 |
の部位 |
|
|
2,481÷3,000=0.83 |
|
アプトダカンシートCT機械固定標準工法では、固定金具の必要量は2.2本/m2と規定※1していますから、単位面積当たりの固定強度は3,000×2.2=6,600
N/m2となり、今回計算した風圧力の例と比較すると、2倍以上の接着強度があることがわかります。今回使用した例よりも厳しい条件下※2では、固定金具の単位面積当たりの使用量を増やすなどして安全対策を施す必要があります。
※1 |
アプトダカンシートCT機械固定工法施工図参照 |
※2 |
ホームページ内の《風圧力計算プログラム》でいろいろな条件の風圧力が計算できるので参考にして下さい |
|